2011年10月2日日曜日

発売から10日後、一通の手紙が届いた……


拙著『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』発売から10日が過ぎた。

著者である僕のところにも、お読みいただいた方からの感想が、
少しずつ耳に入ってくるようになった。

また、取材でお話を聞いたユニオンズOBたちからも、
「どうもありがとう」とお礼のお電話や手紙をいただいた。
そして、本日(1日)、またまた嬉しい手紙が届いた。

それが本書の第四章、第五章に登場し、
物語後半のキーパーソンでもある西本道則氏からの手紙だった。
西本は、ユニオンズ解散時に19歳の新人選手だった。

高校卒業後、一浪中の西本は叔父の勧めで、
ユニオンズのテストを受験し、見事に合格する。

そして満を持して2月からのキャンプに臨んだものの、
キャンプ中にもかかわらず、チームは突然解散する。

つまり彼がユニオンズのユニフォームに袖を通したのは、
わずかに三週間程度だった。

一度も公式戦を行うこともなく、
「大人の事情」で、彼は大映ユニオンズに移籍することになった。

それは、当時19歳だった少年に、突然訪れた試練だった。
そして西本は、わずか一年のプロ生活でグラウンドを去っていく。


福岡県の朝倉郡に住む西本の自宅を訪ね、当時の話を聞いた。
当時19歳だった少年は、年月を重ねてすでに74歳になっていた。

このとき聞いた西本の話には胸が詰まる思いだった。
まったく事情がわからないまま、
不安な心持ちだった日々を、丁寧に振り返ってくれた。

本書を読んで下さった方からも、
「西本さんのエピソードに胸を打たれた」という声を聞いた。
本日届いたのは、その西本からの礼状だった。


「当時は私も田舎出の子どものこととて、右も左も全くわからず、
 自分の目先のことだけに五里霧中で全体像は全くわからないまま、
 時は流れてしまっていましたが、ユニオンズの発足から解団に
 至るまでを本書で教えていただき、今改めて感動しています」



「古稀を過ぎ、余生いくばくもないであろう私には
 最高のプレゼントを贈っていただき唯々感謝するだけです」



多くの読者に読んでいただくことももちろん嬉しいけれど、
取材対象者からの感謝の言葉もまた、格別な喜びでもある。


「無事に出版できてよかった」という思いに加えて、
自らのことを「余生いくばくもない」ととらえている人に、
「間に合ってよかった……」、そんな思いも、確かにある。

0 件のコメント:

コメントを投稿